院長の挨拶

 北の和泉山脈、南の竈門山・船戸山に挟まれ、紀ノ川・貴志川流域にあってその眺望はあくまで広く、悠々たる懐の深さを感じるここ紀の川市に私どもの病院が建っています。
 岩出市と紀の川市併せて人口およそ12万人からなる那賀地域において、両市の経営事務組合が当院の母体となっています。地域の中核となる病院として、医療を通じて地域住民の福祉健康に寄与し、更に病院基本方針である「地域住民から親しまれ、信頼される病院」となることを常に目指しています。

 昭和23年開設、国保那賀病院の名称を経て、平成11年に一般病床300床(感染病棟4床)の新築とともに公立那賀病院として開院。その後、医療の多様化・高度化に合わせて外来診療部門のスペース拡大、人工透析施設の新設、抗がん剤外来治療のための化学療法室の拡充などを行ってまいりました。

 
 公立那賀病院は、那賀医療圏にお住まいの住民の方々の健康を担う上で極めて重要な医療施設です。急性期疾患やがん診療への対応のみならず災害や指定感染症・新興感染症の発症時ではその対応にあたる地域の拠点病院でもあります。中尾前院長をはじめ職員の皆さんのご努力で現在の素晴らしい病院の形が構築されているのですが、現状に満足せず社会の変化とともに生じる新たな課題に対して職員の皆さんのご意見をお聞きしながら病院一丸となって取り組んでいきたいと考えています。また、地域の他の医療機関や様々な施設、和歌山県立医科大学との連携の一層の強化に加え県や市が行う健康福祉事業との連携の推進も行っていきたいと考えています。さらに、医師の卒後研修については、和歌山県立医科大学の協力型病院として、多くの若手医師受け入れとその実践的な研修に好評を得ています。今後も医師のみならず、職種を問わず職員の研修・研鑽は大いに奨励していきたいと考えております。
 最後に地域の特性と発展性および公立病院たる存在意義をしっかと見据え、利用者へより優れた医療を提供すべくスタッフ共々努力を続けてまいります。
よろしくお願い申し上げます。

 

公立那賀病院 院長 古田 浩人